日野神明バプテスト教会

　イエスは十字架上で、「成し遂げられた」と言われ息を引き取られました。このイエスの「終わった」という語幹の一言が、イエスの十字架の意味を、しっかりと伝えてくれるのです。この一語はパピルスで書かれた税金の領収書に記載されており、「それは領収されている」との語として用いられています。
　イエスの十字架は、私たちの罪の一切の代価の支払いは終わりました、との領収書だと言うことです。イエスがなすべき仕事の一切が完了しましたと、天の父なる神に報告された言葉です。
　神は、すべての創造を終えられて、満足されました。その神の心を逆なでしたのが人間です。神は人間をご自身に似せて創造され、被造物の一切を任せられました。人間は幸せでした。神は一人寂しくいる人を見て、愛する者を与えて下さいました。その幸せいっぱいの人を見て、サタンは誘惑してきました。人はその誘いに乗って神との約束に背き、幸せの絶頂から奈落の底に落とされたのです。これは人類の歴史です。これは私たちがずっと負っていかねばならないものです。私たちには二度と、あの幸せいっぱいの日々は訪れてくることはないのか。その私たちの耳に聞こえてくるのが、苦痛の十字架上での、イエスの口から発せられた「成し遂げられた」との言葉です。その罪の一切は贖いとられたとの宣言の言葉です。
　人間は犯した罪の故に、楽園を追放されたが、その関係回復に心を向けることはなかった。ただ自分の幸せをいかに確保するかに心は向けられ、神からは遠く離れて行った。今日の私たちの世界もそうです。私たちの中にどれほど神への思いがありますか。
　それでも神はご自身に似せて創造された人間を愛しておいでです。私はそれが神だと思っています。あらゆる手を尽くして神は、それを伝えてこられましたが、人間はそれを理解しようとはないなかった。神が最後にとられた手段が、御子イエスによって、あなた方の罪は贖ったと伝えられることでした。あなたは何と応えられますか。ペテロの説教を聞いた人々は心を刺されて、「兄弟たちよ、わたしたちはどうしたらよいのでしょうか」と言った。「悔い改めなさい。そしてイエス・キリストの名によってバプテスマを受けなさい」（使徒2:14-42）と。ほんとうの平安と幸せは約束されました。しっかり主なる神を見つめ、ただ、イエスを信じて、約束を受け取るだけです。

2017/8/13