日野神明キリスト教会

世界中は同じ言葉を使って、同じように話していた。  (創世記11:1

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立川バプテスト教会日野神明伝道所

 

 神さまが、世界中で同じ言葉で話していた人々の言葉を乱されたと言う、バベルの塔のお話しは、大変興味があります。今世界には、八千を超える言語が存在すると言われています。世界の人々の間では、言葉が通じなくて思いが伝わらず、良好なコミニュケーションがとれずに、紛争が起きている地方も存在しています。神さまはどのような考えで、人々の言葉を乱されたのでしょうか。
 同じ言葉なので意思の疎通も速やかにできて、人々は「さあ、天まで届く塔のある町を建て、有名になろう。そして、全地に散らされることのないようにしよう」(創世記11:4)と言って、塔を築き始めました。それを見て神さまは「彼らは一つの民で、皆一つの言葉を話しているから、このようなことを始めたのだ。これでは、彼らが何を企てても、妨げることはできない」(創世記11:6)と言われて、彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が聞き分けられないようにされました。それで、私たちはいま大変苦労をしています。
 人々が互いに理解し合って町作りを励んでいるのに、神さまはなぜそれに水を差されたのでしょうか。箴言に「人の心には多くの計らいがある。主の御旨のみが実現する」(箴言19:21)とあります。人々は東に移ってシンアルの平野に住み、互いに石の代わりにレンガを作り、町を建て、その中に天まで届く塔を建てることによって、その名を上げようとしました。人間はその威信を天にまで届かせようとしたのです。しかしそれは、神の御旨にかなわぬ企てでした。そこで神はこれを妨げられました。
 「全地に散らされることがないようにしよう」とは、人間の力を結集して、心に思い計ることを実現しようとの思いの表れでした。人の心の思い計ることは、洪水の後も相変わらず悪いことだけに傾いていました。神の介入がなければ、誰も人の増長を制することはできないのです。言葉の混乱はおそらく、急に言語が変わって混乱が生じたと言うよりも、人の思惑が変わって、言葉での意思の疎通ができなくなったと言うことでしょう。神の介入により、この時の人々のもくろみはくじかれてしましました。
 今私たちは、言葉の違いによってコミニュケーションがとれないと言うことはありません。それよりも私たちはそのことによって、より相手を深く知ることができ、お互いをしっかりと理解し合うことができています。神さまがなさることはほんとうによく分かりませんが、いつも最上の策をとられることは確かです。しっかりみ言葉に聞いてゆきたいです。



2017/8/27